<最終回> 採用ウェブマーケティングをあなたの会社に
コラムの集大成! 各回のダイジェスト版です。
前回の「SNS採用など新たな採用の潮流」で、当初予定で私から皆さんにお伝えしたかった内容は終了となりました。既に11回(第6回は前後編)の記事があり、なかなかのボリューム感になってきました。
そこで、今回はすべての回の振り返りを1記事でしてみたいと思います。
改めて全体像を掴んだり、ここで気になった記事をまた読み直してみたりと、ぜひそんな使い方をしてみてください。
記念すべき(?)第1回目の記事となりますが、ここではこれからお話する内容のロードマップをお見せするとともに、最も重要な考え方をお伝えしています。
それは、「マーケティング」の考え方である「誰に、何を、どう伝える」ということと、常に「ユーザーの気持ち」に立って考えるということです。
マーケティングの究極の目的は、「販売(売り込み)を不要にする」ということ、つまり採用マーケティングであれば、「積極的に売り込みの募集をしなくても、欲しい人が勝手に応募してきて、採用できる状態」をいかに作り出すか?ということです。
もちろん簡単なことではないですし、100%実現できている会社もなかなか無いのではないかと思いますが、チャレンジするに値する内容ではありますよね。
そして、第2回目ではユーザーの「行動モデル」という考え方をご紹介しました。
ユーザー(求職者)の気持ち立って考えるという時に、そもそもユーザー(求職者)の方が働きたい!仕事を探したい!と思い立ってから、実際に応募するまで、どのような思考・行動プロセスをたどるのか?を理解していないと、ユーザーの気持ちになること自体が大変ですので、このような内容を説明しました。
古くからあるAIDMA(アイドマ)を中心として、最近のSNSやコンテンツマーケティングを前提とした行動モデルについてもご紹介しましたが、まずは原点とも言えるAIDMAに沿って、ワークもご用意しました。
ユーザー(求職者)は、どうやって自社の求人を知り、何に興味を持って原稿やサイトのコンテンツを読み進め、何があれば応募したいと思い、どうやって応募というアクションまでつなげていくのか?を考えるきっかけになればと思っています。
少なくともこの流れに沿って求職者が次のステップに進めるような設計にしておかないと、
「どんなに良い条件や魅力的な仕事内容でも気づいてもらえない」「求人には気づいたけど魅力的に感じず応募しない」「応募したいと思ったのに、スムーズに応募できなくて諦める」などの、非常にもったいない状況を生み出してしまいます。
第3回は、「USP(ユニークセリングプロポジション)」という考え方を主にご紹介しました。
USPというのは、簡単に言うと「他社にない、自社独自の強み」ですが、採用においても他社ではなく自社の求人を選んでもらうために、考えておく事が必要となります。
この「USP」がうまく言語化できていると、採用は非常にやりやすくなります。
逆に「USP」を表現することができていないと、その他多くの求人に埋もれてしまい、応募がなかなか来ない原因になってしまいます。
また、USPは厳密に言うと考えるのも結構大変なものですが、あくまで「採用の中でのUSP」として、少し考えやすくしてみたり、考える手助けになるワークもご用意しました。
第4回から第6回では主に<集客方法>つまり「どうやって自社採用ホームページに求職者を集めてくるのか?」という話をしています。第2回の行動モデルで言うところの認知や興味関心の部分ですね。
第4回ではまずウェブサイトの集客方法としては定番ですが、採用においてはまだまだ使われることの少ないウェブ広告と、求人といえば!というように多くの方が使ったことがあるであろう「求人広告」についてお話しました。
広告を出す場合の、目的の設定についてや、求人広告を使う場合に採用ホームページ側でやるべきこと、また、広告の効果を最大化するために「再度訪れてもらうための工夫」などもお話しました。
また、ワークでは第4回から第6回で使うものとして、集客方法の整理ができるものをご用意しましたので、応募が来ない、採用ができないという原因として「そもそも知られていない」「自社求人を見てもらえていない」と感じている方は、こちらで足りないものを考えてみてください。
第5回は、第4回に引き続き<集客方法>について説明していますが、その中でも「リファラル」という集客方法について解説をしています。
「リファラル」とは、「他のサイトからリンクをたどって、自社採用ホームページに入ってきた」ということを表します。
ここを増やすには、簡単に言うと「たくさんリンクを貼ってもらう」ということになりますが、自社でコントロールできる部分も実はいろいろあります。
記事でご紹介しているのは、
・自社関連サイトからの流入
・Google マップ(Google ビジネスプロフィール)からの流入
・求人媒体サイトからの流入
・その他サイトからの流入
となります。
まずは、自社関連サイトからのリンクをきっちり貼った上で、他の増やし方にもチャレンジしてみてください。
第6回も、第4回から引き続き<集客方法>についての話をしました。
ただ、第6回はお伝えしたいことが多くなってしまい、前編・後編に分けてお届け致しました。
前編では、検索からの流入を増やすために行う「SEO」についての基本的な考え方をお伝えしました。
SEOは、専門業者も多くいるような変動の激しい業界ではありますが、実は「王道」があって、短期的な成果を狙うわけでなければ、王道を地道に実践することが重要であることや、「SEO=検索1位を取る」ではないこと、また「すべてのキーワードで上位表示を狙う」ことが難しい中、「どのようなキーワードを狙うべきなのか」などを解説しました。
ぜひこの記事を読んで、正しいSEO対策に向かえるようになってください。
第6回後編では、引き続きSEO対策についてお話をしていますが、少し長い目線で「メンテナンス」も含めたお話をしています。
前編でも説明していますが、SEOは「相対評価」です。ある瞬間、自社サイトが上位表示されていたとしても、もっと良いサイト・ページが公開されたら、順位が変わってしまうものです。
そのためSEO対策は一過性のものではなく、常にメンテナンスしながら順位が下がってきたなと感じたら見直しをする必要があります。
また、SEO対策をしてみたけれど、流入が増えない!という方のために、問題を分解して対策を考える方法についても解説しています。
第6回前編・後編を読んで実践していただくと、検索からの流入についても増加させることができますので、ぜひ頑張ってみてください。
第7回から第8回は<サイト内回遊>というテーマで解説をしています。
サイト内回遊というのは、第4回から第6回までの<集客方法>の次に考えるべきテーマで、ユーザー(求職者)が何らかの経路から自社採用ホームページに入って来た後の動きのことを表しています。
集客をどんなに増やしても、自社採用ホームページがイマイチだと、応募までつながりませんよね。
そこで、まず第7回では想定される求職者のイメージを作り、その方がどういう風に自社採用ホームページを使っていくのか?を考えてみる方法をご紹介しました。
また、あわせてこのコラムのテーマでもある「ユーザー目線になる」というところから、求人原稿以外のページを用意する重要性などもお伝えしました。
ぜひ第8回を参考にして、求職者が迷わずスムーズに応募までたどりつける自社採用ホームページに、改善していってください。
第8回も引き続き<サイト内回遊>関連のテーマですが、第7回は主に「サイト導線」についてのお話でしたが、今回はコンテンツの中身にフォーカスを当てた内容になります。
『「時給1,200円、夜勤、コンビニスタッフ」の情報だけで応募できますか?』という、ちょっと刺激的なタイトルもつけてみましたが、やはりどうしても「求人募集する企業側(既にその会社で働いており、社風や仕事内容など熟知している)」と「求職者側(初めてその企業についての情報を得て、どんな会社か仕事内容か全く分かっていない)」の間に生まれてしまうギャップを、いかになくしていくか?という事について説明しています。
ある程度自社採用ホームページに手を入れた後のよくあるお悩みに、「サイトには来てくれているけれども、応募をしてくれない」という問題があります。
ここを改善するヒントになることでしょう。
よほどのブランド力がある会社でない限り、「絶対この会社で働きたい!」とはならないものです。
しかし、あなたの会社にも必ず魅力はあり、その魅力を良いと思って働いている人がいます。
ぜひ第8回の内容を参考に、魅力をしっかりと伝えて応募数を増やしてください。
第9回、第10回は、直接的に<コンバージョン(応募)>を増やすための方法論をお伝えしています。第9回では、一般的に「EFO」と呼ばれる領域について解説をしています。
つまり、「入力に不便を感じない応募フォームの考え方」をお伝えしています。EFO、応募フォームの改善は、ダイレクトに応募数に結びつきます。
記事内でもツールの活用はおすすめしていますが、まずはこの記事をしっかりと読んで、EFOに対しての向き合い方を学んでください。
第10回も<コンバージョン(応募)>を増やすための方法論ですが、またEFOとは違ったアプローチをお伝えしています。
シンプルに、まずは常に目につく場所に応募ボタンを設置することや、「応募」だとハードルが高いかも知れないので、相談や質問もできるということを伝えることで求職者からの連絡をもらうチャンスを増やすことができるかも知れません。
質問でも相談でも、連絡さえもらえればお話した上でもしかすると応募につなげることができるかも知れませんが、連絡をもらえなかった場合は、こちらからはどうすることもできません。
少しでもチャンスを増やすために、できることがないか考えてみてください。
第11回は、少し毛色を変えましてSNS採用についてのお話をしました。
このコラム全体としては、「自社採用ホームページを使った、採用におけるウェブマーケティング」をお伝えしていたのですが、
SNSも「ウェブマーケティング」においては一つの重要な要素なので、書いてみました。
特に若年層を狙いに行きたい場合、SNSも活用していくべきです。
ただ、SNSは短期的な成果にはつながりづらいのが正直なところです。(長期的には、きちんと運用すれば成果につながる可能性が高いです。)
そのため、SNSを採用に使う場合の心構えや注意点についても解説をしています。
この記事を読んで、しっかりと運用のイメージをつけてからSNSに取り組んでみてください。
ということで、最終回は全11回の振り返りをお送り致しました。
2022年の7月頃から掲載を開始しましたので、約1年半にわたり連載をさせて頂きました。
第1回目の自己紹介でもお話しましたが、求人のお手伝いをしているところから、ウェブマーケティングの専門家になっていく中で、「もっとこんなことを知っていれば、できていれば、良いお手伝いができたのになぁ…」と思ったことは、ほぼお伝えできたかなぁと思っております。
ウェブマーケティングの世界は日進月歩でどんどん変わっていくものではありますが、このコラムの根底となっているテーマ「ユーザーの気持ちになって考える」ということは、どんんなに技術が進歩し、トレンドが変わってもビジネスが人と人の取引である以上、永遠に変わることはないと信じています。
今回の記事は振り返りでしたのでワークはありませんでしたが、第1回を除く全ての記事にワークをつけており、「読んで満足しただけ」にならないようにしていますので、ぜひこれを機に、まだワークをしていない方はやってみてください。
また、どこかでお会いできますと幸いです。約1年半、拙い文章をお読み頂きありがとうございました。
株式会社Task it 代表取締役(2016年より現職)
株式会社リクルートジョブズにて人材の営業、新規事業立ち上げ部署などで従事後、ウェブの可能性を感じ独立。ウェブ業界未経験の状態だったものの、ウェブ解析士取得から約1年半でウェブ解析士マスターまで取得。
現在は、個人・企業に対してウェブ解析士講座やGoogle アナリティクス講座の実施や、ウェブコンサルティングを行っている。
著書に「Googleデータポータルによるレポート作成の教科書」や「1週間でGoogle アナリティクス4の基礎が学べる本」がある。(ともに共著)
第1回:<全体像>採用×ウェブ×マーケティングで言っていることとは?
第2回:<行動モデル>ユーザーの行動を考えよう、どうやって探して、何を検討する?
第3回:<USP>なぜ自社は選ばれるのか?を考えて、それをメッセージにしよう
第4回:<集客方法>ウェブ広告と求人広告
第5回:<集客方法>リファラルとは?
第6回(前編):<集客方法>検索キーワードの考え方、上位の狙い方~前編~
第6回(後編):<集客方法>検索キーワードの考え方、上位の狙い方~後編~
第7回:<サイト内回遊>応募までの導線。探す→見つける→検討する→応募する
第8回:<サイト内回遊>記事ページ。求職者が検討しているときに、口説けるページありますか?
第9回:<コンバージョン>応募フォーム項目の必要性を考えることで応募増につなげる
第10回:<コンバージョン>応募したい!と思った瞬間を逃さない&応募ではなくても連絡が取れるようにする
第11回:<SNS採用>SNS採用など新たな採用の潮流
第12回:<総まとめ>採用ウェブマーケティングをあなたの会社に
各コラムには、テーマに即したワークシートをご用意しています。
コラムを読むだけではなく「自社の採用で考えてみる」という実践ができるワークシートです。
ぜひ、自社の採用課題やフェーズに合わせて ご活用ください。
第2回<行動モデル> 自社のAIDMAを考える
第3回<USP> 自社の採用USPを考える
第4・5回<集客> 求人広告手法を俯瞰で考える
第6回<集客> 検索流入の増やし方を考える(SEO)
第7回<サイト内回遊> ホームページ上の動きを考えて設計する
第8回<サイト内回遊> 求職者に選ばれるための情報を考える
第9回<コンバージョン> 応募フォームの項目を見直す
第10回<コンバージョン> 応募以外の連絡手段を考える
第11回<SNS> SNSの運用設計を考える