【第5回】人事のためのウェブマーケティング講座

集客方法②
Referral(リファラル)を増やそう

前回の振り返りと、今回のお話について

前回は、集客における「広告」の使い方や考え方をお伝えし、広告の評価方法や広告の効果を最大化する方法をお伝えしていきました。今回は、前回「自社以外のサイトで紹介してもらう(個人ブログや系列企業のサイト、自社ブランドサイトなど)」としてご紹介しました、専門用語で言うと「Referral(リファラル)」を使っていく考え方についてお話をしていきます。

そもそも、Referral(リファラル)って?

「リファラル採用(従業員の紹介)」なんていう言葉も流行っていますので、混乱してしまうかと思いますが、
ウェブマーケティングやウェブサイトにおいて通常「Referral(リファラル)」というと、
「他のサイトから、リンクを飛んで自社サイトに入ってきた」という意味になります。

 

具体的にどのようなものが「Referral(リファラル)」に該当するかというと、

自社関連サイトからの流入

例えばリクオプを使っており、「https://●●●-job.net」などの求人専用サイトを作成している場合、コーポレートサイトやブランドサイト、通販サイトなど、自社の関連サイトから「求人はこちら」というようにリンクを貼ることがあります。

その「求人はこちら」のリンクから求人専用サイトに飛んできたものが、「Referral(リファラル)」に該当します。

 

Google Map(Google ビジネスプロフィール)からの流入

店舗系ビジネスの場合、Googleの検索結果にGoogle Mapの情報が出ることが多くあります。

そこで出てくる電話番号や営業時間などを、実際にそのお店の人が編集できるサービスがGoogle ビジネスプロフィール(旧Google マイビジネス)です。
Google ビジネスプロフィールを使うと、「投稿」という機能で様々な情報を告知することができます。
投稿機能を活用し、「人材募集中です」ということを告知することで、お店を調べた方にアプローチすることが可能です。
ただ、普通に採用ホームページのリンクを貼ってしまうと、「Google検索からアクセスして来た」と記録されてしまうため、明確に件数を把握したい場合は、「パラメータ」というものをリンクURLにつける必要があります。
(パラメータの話は、長くなりますのでまたどこかの回で…)

例:HRソリューションズのGoogleビジネスプロフィール

 

 

ネット系求人媒体サイトからの流入

ネット系求人媒体サイトの中には、大抵原稿内に自社サイトへのリンクを貼ることが出来る欄があります。そこにリンクを貼った場合も、求人媒体サイト→自社求人サイトと、リンクを飛んで行くことになるため、「Referral(リファラル)」に該当します。

また、ネット系媒体も有料で掲載するものもあれば、無料で掲載(自動的に掲載されるおまとめサイト)などもありますが、リンクで飛んでくれば、「Referral(リファラル)」になります。

※記事執筆時点現在、Indeed(インディード)は、基本的にはリンクではなくIndeed内で応募まで完了するので、自社サイトへの流入は計測されません。

 

個人のブログや、プレスリリースサイト、ニュースサイトなど一般サイト

求人領域ではめったにないかと思いますが、面白い原稿やみんなにおすすめしたいような求人があった場合、個人の方が自分のブログなどで取り上げ、そこからリンクで飛んでくる場合も考えられます。

※実際、前職のリクルートジョブズ時代、フロム・エーナビの原稿が面白く、様々なニュースサイトやブログ、Twitterなどに取り上げられ話題になる、という話を何度か聞いたことがあります。
※ご興味ある方は「すまねぇ求人」と検索してみてください。

上記が、「Refferal(リファラル)」に該当する集客方法になります。

どうやってRefferal(リファラル)を増やすか?

では次に、どうやったらRefferal(リファラル)が増やせるのか?についても考えてみたいと思います。
上記ご紹介したそれぞれについて考えてみましょう。

 

 

自社関連サイトからの流入


こちらが、Refferal(リファラル)を増やす最も重要な方法となります。 皆さんの企業のサイト(ブランドサイトやコーポレートサイト)から、 きちんと採用サイトにリンクを貼る。それを徹底する」ということです。 特に、店舗系ビジネスを実施されている企業の方は、店舗情報(営業時間や電話番号、地図などが掲載されているページ)に、「求人はこちら」「現在求人募集中」などの記載を追加し、採用サイトの、そのお店の求人情報ページへのリンクを必ずしてください。

ブランド別にサイトが分かれている、フランチャイズなのでフランチャイズ企業ごとにサイトが違う…などなど、色々と「出来ない理由」はお聞きしますが、求職者からすると関係ない話です。

また、私がお話した企業様の中には「普通に買い物に来ている人に、人が足りていないということを知られるのが嫌だ」ということで、記載したくないという企業様もいらっしゃいました。その気持ちも理解はできますが、この連載で度々お伝えしております、「ユーザー(求職者)の気持ち」を考えてみてください。

たとえば、仕事を探している人が「学校帰りに通るあのお店、アルバイト募集してないかな〜?」と考えたときに、「カフェリクオプ 日本橋 バイト」と入力するでしょうか?
求人の情報収集に慣れてくれば、そういう方もいると思いますが、まずはお店の名前だけや、地域名、店舗名だけで検索するのではないでしょうか?
このような場合、実際は求人をしているお店だったとしても、店舗の詳細情報ページを見て「求人はこちら」のような記述がない=募集をしていないと思い込み、応募を諦めてしまうかもしれません
企業名やブランド名を入力するということは、そのお店を知っていて、そのお店が好きで働きたい!という方のはずです。
そんな大事な求職者を取り逃すなんて、もったいないですよね。ぜひ、確実にリンクをしてください。

また、アルバイト採用とは別に、中途採用・キャリア採用用に別で採用ホームページを作っている企業様も多いと思います。その場合、中途・キャリア採用サイトからアルバイト採用サイトへのリンクも貼るようにしましょう
ユーザーが入力したキーワードによっては、アルバイトに応募したい方でも、中途採用サイトが検索上位に出てしまうこともあります。その時に、迷わず目的地にたどり着けるようにしてあげましょう。

 

Google Map(Google ビジネスプロフィール)からの流入

 

こちらは、まずはGoogle ビジネスプロフィールに登録をしてください。
Google Mapに掲載されるお店の公式情報(電話番号や営業時間)を変更出来るようになるので、本人確認(ちゃんとそのお店の人なのかの確認)がありますが、電話が掛かってきたり、手紙で送られてきたりした番号を入力するなど、そこまで難しくないです。

また、先程ご説明した投稿も、文章を入力して写真を掲載するくらいの操作のため、簡単にできます。
お店に求人の貼り紙をする感覚で、「求人募集中です!」ということを投稿するだけで、応募の可能性を高めることができます。

 

ネット系求人媒体サイトからの流入

 

有料で掲載するネット系求人媒体の場合は、「きちんとリンクを貼る」ということに尽きますが、
おまとめサイト(総合型求人検索サイト)は、本来自動で自社採用サイトの求人情報を見に来て、その情報を掲載してくれるものですが、掲載されない場合もあります。そのときには、自社の求人情報をそういった媒体に連携できる機能を持ったサイトを使うのがおすすめです。
通常は、「フィード」と呼ばれる、自社採用サイトの現在掲載中の求人情報一覧情報を、ネット系求人媒体サイト側の指定した場所に送ることで、掲載される可能性が高まります。少し専門性が必要となりますので、掲載したい求人はたくさんあるが、なぜか掲載されないという場合は、採用ホームページの制作会社や求人広告企業などに相談してみてください。

おまとめサイト(総合型求人検索サイト)について代表的なものをまとめましたので、参考にしてみてください。
・Indeed
・スタンバイ
・求人ボックス
・Google しごと検索

 

※リクオプ事務局より
リクオプで公開中の求人情報は、Indeed/求人ボックス/スタンバイ/Googleしごと検索などの総合型求人検索サイトに自動転載しております。→求人検索サイトに自動転載

 

個人のブログや、プレスリリースサイト、ニュースサイトなど一般サイト

 

プレスリリース以外は、自社の努力で増やすことが難しい領域ではありますが、やりようがない訳ではありません。

まず、着実にできることはプレスリリースです。
どの程度掲載されるか?はなんとも言えませんが、プレスリリースは無料でも利用できる時代です。
既存点1店舗だけの求人では難しいと思いますが、新店舗オープン時のオープニング求人などであれば、新店舗オープンのプレスリリース内にスタッフ募集リンクを貼ることで、Refferal(リファラル)の流入を増やすことができます。

 

個人のブログやニュースサイトは難しいところですが、
いわゆる「インフルエンサーマーケティング」のような形で、採用ターゲットに人気のインフルエンサーにアルバイト体験をしてもらい、それを記事や動画にしてもらう、求人に絡めた面白い企画を実施し、ニュースサイトに取り上げてもらうなど、全く不可能ではありませんが、ちょっと飛び道具的なものになります。

 

以上が、Refferal(リファラル)という領域の考え方とそこからのアクセス・応募の増やし方になります。

最後に…アクションプランを考えてみましょう!

今回もコラムをお読み頂きありがとうございます。

最後に、毎回のお約束ですが、せっかくこんなコラムを読んで頂いた皆様には、読んで理解するだけでなく、実際に行動をして欲しいと思っています。

記入するシートとしては、前回お渡ししたシートの「外部サイト」のところに、今回の記事を読んで「これはできそうだな!やってみよう!」と思ったことを書き込み、ぜひ実際に実行してください。

 

執筆者プロフィール

 

株式会社Task it 代表取締役(2016年より現職)
株式会社リクルートジョブズにて人材の営業、新規事業立ち上げ部署などで従事後、ウェブの可能性を感じ独立。ウェブ業界未経験の状態だったものの、ウェブ解析士取得から約1年半でウェブ解析士マスターまで取得。
現在は、個人・企業に対してウェブ解析士講座やGoogle アナリティクス講座の実施や、ウェブコンサルティングを行っている。
著書に「Googleデータポータルによるレポート作成の教科書」や「1週間でGoogle アナリティクス4の基礎が学べる本」がある。(ともに共著)

 

 

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