「録画面接機能」の導入で現場マネージャー(面接官)の負担を大幅に削減。
目的・効果
MOVIXやピカデリーなど映画館を全国展開している松竹マルチプレックスシアターズ様。映画の上映にとどまらず、様々な趣向をこらして、ご来場のお客様に楽しんでいただく。そして、たくさんの喜びにあふれた空間づくりを掲げている企業様です。採用においても、現場の担当者に喜んでいただける有効な施策や機能の導入をするための取り組みを実施していました。
たとえば「新しい機能を導入しても、現場で活用してもらうのが難しい…。」こんなお悩みを聞く機会があります。松竹マルチプレックスシアターズ様では、全劇場に一斉展開する前に段階的に展開。【数店舗でトライアル → アンケート調査でヒアリング →結果をベースにマニュアル作成をして本格導入】のプロセスを踏み、現場で本当に役立つか?を検証。しっかりと現場で活用できるよう丁寧に寄り添う取り組みを行った 劇場運営部 東日本運営室の井上様、上地様に導入経緯やプロセスをお伺いしました。
【取材日:2022年6月】
<新機能導入の経緯>
・2020年4月:録画面接のトライアル開始
・使用しやすく好評だったため、他劇場にも本格導入
・2020年10月:オンライン面接のトライアル開始
・2020年12月:全劇場で「録画面接/オンライン面接」説明会実施
・ヒアリングを実施し、各劇場ごとのマニュアルを作成
・「録画/面接オンライン面接」劇場に合う方法で面接実施ができる体制へ
コロナで全ての採用活動がストップ。面接待機応募者が100人超に…
コロナ禍真っただ中の2020年4月、一旦全ての採用活動を中止したため、面接待機応募者は100名様を超えていました。応募者はお客様でもあるので、いつまでもお待たせするわけにはいきません。頭を悩ませていたところに、HRソリューションズさんより録画面接機能(※)のご提案をいただきました。
録画面接であれば、応募者の方に劇場(面接会場)までお越しいただく必要はなく、好きな時間に面接の録画を行えますし、面接官も空いている時間に確認することが出来ます。
応募が多く集まる劇場では、1日5~6件の面接実施も珍しくありません。面接予定が入ると、時間・場所の確保や事前準備も必要です。万全の体制でお待ちしていたのに、面接にお越しにならない応募者様も一定数いらっしゃるため、事前準備が無駄になってしまうことも多々ありました。
また、面接でお話をしてみると条件に合わない応募者様もいらっしゃるため、もう少し効率良く、効果的な面接が出来ないか、という点も課題の1つでした。1日5,6人の面接業務の負担が大きいこともあり、集団面接を実施していた劇場もあります。ただ、集団面接だと他の人に配慮して質問しなければならないので、なかなか個人的な部分に関する質問が出来ない点がデメリットでした。
こんな経緯があったので、録画面接を導入すれば解決できるかも・・・と、まずは3店舗でトライアルを開始。使用しやすく、実際録画データを見ると対面での面接と変わらず人柄が伝わってくると現場からも好評だったので、他の劇場も本格導入しました。その後、オンライン面接もトライアルのお話をいただいたので、同じ手順を踏んで本格導入をしました。
※ 録画面接機能 とは・・・
あらかじめ用意した設問に、応募者がスマホで回答。場所・時間を問わず、応募者・企業側ともに好きなタイミングで面接ができるオプション機能(有料)です。
各劇場に適した採用ツールを準備する
採用面接は劇場社員複数人で行っている劇場がほとんどの為、採用基準は設けているものの、どうしても個人差が生じてしまう点が課題でした。面接シートで面接内容を共有してはいたものの、具体的に「他の社員が、どんな対応をしているのか」「応募者がどんな人か」を文章のみで詳細まで共有することが難しかったのです。
しかし録画面接であれば、いつでも好きな時に複数人の目で確認することが出来ます。録画できる=面接をしている社員のみならず、内容を劇場内社員が都合の合う時に閲覧した上で選考ができ、より、劇場の求める条件やイメージにあった応募者を採用できるようになりました。録画面接を1次審査にし、録画内容を確認することで、2次(対面面接)に進む応募者を大幅に絞り込むこともできていますね。
またメモ欄を活用し、各社員の意見や、お電話した日等、直接データで残せない連絡履歴などを細かく入力するようにしています。これを繰り返すうちに採用基準も平準化されてきていますね。新人マネージャーもこういう点を見ればいいのか、という気づき、学びにもなるようです。
劇場ごとに応募状況や、採用基準の優先順位等、細かい部分が異なります。よって本部としては、それぞれの劇場、マネージャーの要望に対応できるよう、複数の選択肢を準備したいと考えています。
新機能は活用できてこそ。劇場の利用促進に向けて説明会を実施し、面接官の負担軽減に成功。
各劇場によって状況が異なることは理解していますので、本部から新機能利用の強制はしていません。むしろ各劇場に即した使い方をしてほしいと考えていたので、オリジナルの新機能利用マニュアルを作成し、全劇場の採用担当者を対象に「録画面接/オンライン面接の説明会・テスト実施会」を社内WEB会議で実施しました。
この説明会後に、興味を持った劇場や導入希望劇場を募り、希望の選考方法をヒアリングした上で、各劇場に合わせたマニュアルを作成し、そのマニュアルを元に、各劇場でそれぞれ録画面接・オンライン面接を実施しました。一度導入したからといって継続して利用するのではなく、応募数の増減や時期により、劇場希望をヒアリングしています。そのため、途中で使用するシステムを変更した劇場や、最初から、対面面接のみで一貫している劇場等、それぞれ分かれています。
2021年4月に熊本で新しい劇場がオープンした際には、オープニングスタッフ募集ということもあり、130名もの応募をいただきました。とてもありがたいことなのですが、日程的にお一人お一人と面接は難しかったため、録画面接機能、オンライン面接機能を活用させていただきました。対面面接しかできなかった時に比べ、大幅に社員の対応時間を削減することが出来た上、より劇場の条件やイメージに合った方の採用が出来るようになったと感じます。
本部として現場の生産性をあげる機能があればどんどん入れていきたいですが、活用されなければ意味がないと考えています。導入の際はパワーがかかりますが、実際現場が使ってくれて、楽になったという声を聞くと嬉しくなりますね。
採用基準の標準化も実現、お客様の満足度向上にもつながった
録画面接機能の導入により、面接時間の拘束がなくなりました。対面では1人につき30分はかけていたところ、録画では15分程度です。マネージャーが面接に費やす時間が大幅に削減出来きました。そして、連続して面接があると、前の面接が延びて、次の面接者の方をお待たせしてしまうこともありました。また劇場は広いので、案内された場所やスタッフへの声の掛け方が分からずに迷われてしまう方もいらっしゃいました。
劇場社員側だけでなく、応募者様側でも「好きな時間に、自宅で気軽に面接が出来る」というのは、時間面・精神面においても、ご負担が軽減され、メリットが大きいと感じています。
映画が好きで、弊社のファンであるお客様が、応募してくださっている可能性も高く、そういったお客様をお待たせしたり、面接日程の調整で何度も遣り取りしたり、という負担が軽減出来ていることも大きな成果です。
繰り返しになりますが、採用基準の標準化ができたことも大きな成果です。さらに、複数担当が面接録画データを見ることにより、採用に関する現場の連帯責任感が生まれたことも大きな変化かと思います。
弊社はCSとES(※1,2)を重要視しております。面接に来て不快な想いをさせることがなくなったこと。ピークタイムにマネージャーも現場に出て接客をすることにより、お客様対峙できる時間を増やせたこと。そういった結果がCS向上にもつながると考えています。
※1 CS:Customer Satisfactionの略称。顧客満足度のこと
※2 ES:Employee Satisfactionの略称。従業員満足度のこと
株式会社松竹マルチプレックスシアターズ
本社所在地 :東京都中央区築地4丁目1番1号
設立: 1996年5月
従業員数 :約1,760名(社員:約260名、アルバイト:約1,500名)※2021年2月28日現在
劇場数:全国17都道府県29館 うち共同事業5館(SMT運営2館/他社運営3館)
事業内容 :映画館の企画・開発、建設・経営など
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