アルバイト採用における「応募数の増加」と「採用予算の最適配分」
を実現した施策とは?

イオンファンタジー様 

Before
  • 店舗のマネージャーから人材募集の依頼があってから本部で募集をかけることが多く、本部側からの積極的な働きかけができていなかった。
  • 採用を抑えていたコロナ期から、採用拡大に移ったタイミングで 応募数が不足状態にあった。
After
  • リクオプの採用データも活用しながら、店舗ごとの人員充足率や採用日数を把握。採用課題の大きい店舗を可視化し、適切な予算配分や先回りしたサポートができるように。
  • 「LINEで応募ボタン 連携機能」を実装、情報入力のハードルが下がったことで応募者が増加。幅広い世代からの応募が来るように。

イオングループのショッピングセンターなどの商業施設を中心に、こどもが安全に遊べるアミューズメント施設「モーリーファンタジー」などを運営するイオンファンタジー様。
2014年にリクオプを導入、学生や主婦、シニア、保育士資格を持つ人材などの求人に注力している企業様です。

今回は、2022年春に採用担当に着任された方にお話を伺いました。営業部から人事総務本部 人事グループに異動、既に導入されている採用管理システムをベースに、どう改善していったのか? 着任後の取り組みについて、詳しく聞かせていただきました。

(取材日:2022年10月)

国内500店舗の人員・採用状況をデータで可視化。受け身の採用から店舗との双方向の採用へ

2022年に人事総務本部へ異動後、まずおこなった事は国内全店舗の人員状況の把握です。以前は各店舗のマネージャーから出てくる求人出稿の要望に対応するだけになってしまっており、全店舗を俯瞰した上での採用予算の最適配分ができていないことが課題でした。

そこで500ある店舗ごとに欠員率(= 実際の雇用者数×1人当たり平均労働時間 / 店舗運営上稼働してもらう必要がある時間の合計)を割り出し、各店舗の人手不足感を可視化。欠員率の高い店舗は優先的に採用予算を配分するようにしました。定量的に人員状況を把握できたことで、メリハリをつけた求人出稿ができるようになりました。

また、あわせて実施したことは、採用困難店への個別対応です。リクオプのデータを収集・分析して、求人募集から入社までにかかった「採用日数」を全店舗で把握。特に採用日数が長い「採用困難店」には個別ヒアリングや採用ファネル分析を行い、採用課題にあわせて時給アップや応募者対応の改善といった提案を行っています。

今までは「店舗側から言われたことに対応する」という受け身の姿勢になりがちでしたが、各店舗の人員・採用状況をデータで可視化することで「注力するべき店舗」が見えるようになりました。また各店舗のマネージャーが声を上げる前に先回りして本部側から提案するなど、店舗と本部で双方向的な採用ができています。

候補者の手間を極限まで減らし、応募者の増加を狙う

また着任当初は採用ホームページ経由の採用を強化していたものの、なかなか応募につながっていませんでした。HRソリューションズさんに状況を共有すると、応募フォームの入力項目がかなり多く、入力が面倒になった候補者の応募を取りこぼしてしまっている可能性があるので「応募フォームの項目を減らす」施策のご提案をいただきました。

そこで、社内の関係部署にヒアリングしてみると、採用するために実際に必要な項目は5つくらい。また面接時に書いてもらっていた履歴書も、社会保険加入時の手続きに必要な情報以外はほとんど活用されていないことが分かりました。

改めて「候補者の手間を極限まで減らすことができれば応募が増えるのでは?」という仮説の元、求職者目線での応募設計の改善を行いました。


※参考: 応募フォームの活用事例
入力項目数を減らすことで1か月で約7%の入力完了率がアップした活用事例ページ

応募者の増加につながる「LINEで応募するための機能」は、工数をかけずに導入できるのもメリット

具体的な施策として行ったのが、応募フォームの簡略化と履歴書の廃止です。応募フォームの簡略化では、入力項目を「名前」「連絡先」といった最小限の項目に絞りました。そうすることで候補者に余計なストレスを感じさせず、スムーズに応募してもらえるようになりました。

履歴書廃止については、最初は採用困難店を中心としたいくつかの店舗でトライアル的に取り組んでいました。トライアルの結果、履歴書の有無で採用率や入社後の継続勤務率は変わらないことが分かったため、現在は他の店舗でも履歴書不要の求人を展開できるようにしています。

また、これと同じタイミングで行ったのが「LINEで応募するための機能」の導入です。さまざまな年齢層で普及率の高いLINEと連携し、応募における入力のハードルをさらに下げることで、応募者が増えることを期待して実装しました。

さらに、若年層の方たちにとってLINEを使って会員登録や情報連携を行うことはもはや当たり前になっています。今後若い方たちの応募を獲得する上で必要な機能だと思い、導入に踏み切りました。実装は簡単なシステムの設定だけで終わるため、あまり工数をかけずに済んだのもありがたかったです。

「LINEで応募するための機能」で応募数は5.3%改善。幅広い世代からの応募獲得に貢献

「LINEで応募するための機能」導入後は、導入前と比較して+5.3%応募数が増加。応募率も4.24%から4.48%へ改善されました。また応募後の効果に関しても、候補者とのやりとりがLINEで完結できるため、返信率や面接設定率が向上するなど大きな成果を上げることができました。

「LINEで応募するための機能」を導入する前は、10代〜20代の若年層がこの機能を利用して応募してくると考えていました。しかし実際には10代〜20代から50代のシニアまで、幅広い年齢層の方がLINEの応募ボタンを使って応募しています。また、保育士資格を保有する方からも応募があり、年代や資格を問わず候補者とのつながりを広げてくれる機能として、非常に重宝しています。

データを活用した人材・採用状況の可視化と最適化は、引き続き取り組んでいきたいと考えています。各店舗で抱えている課題は異なるため、店舗ごとに適切なフォローアップ策を実施したいです。そのためにも、店舗別・求人ページ別のアクセスデータや応募データといった、細かいデータ分析がより簡単にできるようになることを期待しています。

株式会社イオンファンタジー

業種・企業情報
・7_その他
・1,000人以上

本社所在地:〒261-8504 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目5番地1
事業内容:ショッピングセンター内「アミューズメント施設」及び「インドアプレイグラウンド」の運営
設立 :1997年2月14日
従業員数:7,518名(パートアルバイトは8時間換算、2022年2月期中平均)
店舗数:1012 (2022年10月31現在)

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