スギ薬局様　

「地域の方々のお役に立つ」をモットーに関東・中部・関西・北陸・信州エリアで地域医療対応型ドラッグストアを展開しているスギ薬局様。グループ全体では「トータルヘルスケア」を掲げ、セルフケアから医療・服薬、介護・生活支援まで健康をトータルに支援し、地域社会への貢献に尽力されています。

今回は、採用の根幹となる採用管理システム(ATS)を変更すると決断した背景・経緯・今後のこと等について、キャリア採用課：森様にお話を伺いました。（採用ホームページ公開・運用開始：2023年2月）

【取材日：2023年9月】

2026年に向けた中期経営計画のひとつ、人財・組織の強化

当社は2026年、創業50周年を迎えます。そのときにどうあるべきかを考え、2022年度から中期経営計画を開始しています。大きくは「グループの強みである人的資本とDXで、『トータルヘルスケア戦略』を推進し、皆様の健康で豊かな生活への貢献を目指す」という内容。具体的な売上目標と経営基盤強化項目などを策定し、各々が役割を持って動いています。

経営計画には「人財・組織の強化」も含まれています。採用に関しては以前から課題があり、2022年の中期経営計画を機に、会社の規模にあう採用管理システム(ATS)を導入することになりました。

根本を変えなければ、いくら集客をしていても応募人数も採用人数も増えない

課題はいくつかあったのですが、採用管理システムを変えようと思ったきっかけは「自社採用ホームページの作り方が同業他社さんと違うな」と気付いたことです。今の当社の採用ホームページは集客できているのだろうか？と。

スギ薬局では医療事務に注力しているにも関わらず、採用ホームページには医療事務スタッフの求人情報が掲載されていない。会社内で「医療事務が不足している」と要所要所で話題に上がるなか、有料求人メディアを使って募集をかけることでなんとか対応はできていました。

他社さんの採用ホームページ状況をみると、幅広い職種で募集をかけ、検索で上位表示もされていました。スギ薬局も採用ホームページに幅広い職種を掲載することで、広告ではなく採用ホームページからの自然流入を増やす土台を作る。また、コールセンターにかかる人員コストやアナログ対応など作業的な部分が多いことも課題でした。

このように他社実態や費用対効果を調べた時に、採用管理システム（ATS)を入れ替えた方が より効率的に採用業務ができそうだという結論に至りました。

コストは高いが費用対効果がよい

実現したいことは、大きく２つでした。

●より多くの職種で現場に人員を供給したい
●現場で発生している採用にかかる作業を減らしたい

募集は有料求人メディアにコストを多くかけている、かつ医療事務や薬剤師など注力している職種へアプローチできていませんでした。また、各工程にアナログ作業が多く現場の負担が大きいことが課題でした。

何社か検討していたなかで、HRソリューションズさんは１番高額でしたので、最後まで慎重に検討しました。決め手は、何より他社さんの導入実績を持つ安心感。そして、セキュリティ・サポート体制・課題解決できるオプションが揃っていることでした。他社さんからは「開発すればできます」と言われた機能が、リクオプにはある。採用ホームページからの応募率も比較的高い数値だったので、有料求人メディアへの出稿を減らすこともできそう。トータルで考えると、将来的にはコストが回収できそうだし現場の作業工数が減ることも大きいな、と思いました。

新たな採用管理システムを導入した結果

導入後は、採用数が140％増に。効率化を図るため全店に導入したオプションにより、コストと作業時間の削減・スピードアップが実現できました。

募集をかけるフェーズの有料求人メディア発注機能を導入。これまで各店舗からデータを受け取り、本部で集計をして発注をするというアナログな作業をしていましたが、システム導入により。この集計や発注作業に携わる人件費削減に成功したことは嬉しいですね。

応募者対応フェーズの1つ目は、面接日程調整チャットボット（らくロボme）の導入です。これまでは、自社のコールセンターで全ての応募者対応を行っていました。1人1人と電話をして希望条件を確認し、面接設定まで行う。電話が繋がらない応募者の方もいらっしゃいますので、2－3日前の応募者対応がまだ終わっていないことも。コールセンターの対応が間に合っていない、トラブルが起こると採用にまで影響が出る状況でした。

「応募から面接日程設定」までのプロセスにシステムを導入したことで、応募者への早期アプローチが実現可能になりました。コールセンターの人員は半分で収束、人件費もおさえられています。コールセンターは、選考ステータスの確認や他の重要業務に注力できるようになってきました。

2つ目は、録画面接。コールセンターとは運用の仕方が異なるので一概に比較できない部分もありますが、現場からは「非常に楽になった」「導入してよかった」という声があがっています。やはり現場の声が大事ですので、導入してよかったですね。

採用業務の全体最適化へ向けて運用フローの変更・マニュアル刷新

システムの導入とともに運用フローを変更し、マニュアルも刷新しました。各店舗の独自運用で部分最適化されていたところを全体最適化へ。各店舗の担当者も「募集する勤務時間帯をリクオプに入力しなければ発注できない」等、各業務工程の理解が深まり、意識付けもできてきました。全社レベルで採用に関するスピードが上がったと感じています。

余談ですが、オプションも実装したので、運用開始後に何かあるのではないか？と心配だったのですが、何のトラブルもなく、ホームページ公開・運用開始ができました。HRソリューションズさんに事前にいろいろ想定して対応していただいた結果かな、と思っています。

今後は、全社レベルで採用数を増やしていきたいと考えています。各店舗から「どういう形が使いやすいのか」を拾い上げて整えていく。応募者への露出が増え、見てくれる人も増え、受け皿もできた。システムを導入して終わりではなく、現場の声やデータを集約して よりよい形を目指していきたいですね。

来年導入予定のWEB雇用契約システムも楽しみです。採用に関連する業務をトータルで考え、スギ薬局へ応募してくださる方・働くスタッフたちに還元できるよう進めていきます。