【第6回-後編】人事のためのウェブマーケティング講座

集客方法③-2
検索キーワードの考え方、上位の狙い方~後編~

前回の振り返りと、今回のお話について

前回は、検索流入の増やし方ということで、そもそものSEOの考え方の話から、狙うべきキーワードの話、そしてそのキーワードをコンテンツページに記載していくという話をしました。前回のお話で、「SEOのためのコンテンツページを作成する」ということが出来た訳ですが、今回は「ページを作って、公開してから」のお話をしていきます。

 

SEOは長期的に!公開してからも、やることがあります

前回解説したようなことを考えながら一生懸命作ったページでも、なかなかスムーズに上位表示されないこともあります。(一般的には、3ヶ月〜半年程度はかかると言われています。※既存サイトに追加・修正をした前提)むしろ、狙ったキーワードでいきなりSEO上位を取れることの方が稀ですので、そのくらいの期待感でいてください。

ただ、諦める必要はありません。SEOは、「公開したら対策終了」ではありません。「公開後の状況を見ながら、適宜修正を加えていく」ということで、より良くしていくことが出来ます。

公開後は「実際の検索順位」という形で、「Googleのあなたのページに対しての今の評価」がわかります。それを受けて、適宜修正を加えて行けばいいのです。改善のポイントを探るには、まずは狙ったキーワードで「自社のページよりも上位表示されている記事」をよく研究しましょう。

SEOはあくまで「相対評価」です。
みなさんが作成したページがどんなに良く出来ていても、それ以上に良いページがあれば、Googleはそちらのページを評価します。「競合ページにあって、自社ページにないもの」で、ユーザーの気持ちになった時必要だと感じた内容は、適宜取り入れて行きましょう。

 

 

 

何が問題なのか?を切り分けて考えましょう

前回は、少しSEOの話に振りすぎてしまいましたが、本来この記事でお話したかったのは「検索流入の増やし方」です。

検索流入が増えない理由は、SEOだけではありません。「検索1位でも流入は少ない」ということも、実際問題あります。つまり「そもそも、そのキーワードでの世の中の検索数が少ない」こともあるわけです。

では、改めて検索流入が増えない原因と、それを確認する方法を3つ、ご紹介します。

 

1.そもそも、今検索に表示されているキーワードでの検索回数が少ないのではないか?

 

前回の記事で、「まずは社名が入った検索(指名検索)」で確実に上位を狙いましょう!
と言いましたが、残念ながら「BtoB企業」や「中小企業」では、もともとの知名度がないため上位表示はされているが、そもそも検索される回数が少なく、検索流入が増えない」ということが発生してしまいます。この場合には「職種や仕事内容、業界に関連するキーワード」と「地域名」の掛け合わせのキーワードなどを狙ってみると良いでしょう。

全く関係のないキーワードでは意味がないですが、このくらい募集している内容に関連するワードであれば「こんなに業界のことに詳しい会社なら働いてみたい」「こんなに丁寧に仕事内容が書かれていて、きっと丁寧に教えてくれるだろうから働いてみたい」など、応募につながる可能性があります。

ただし、2単語、3単語、4単語と、単語数が多くなるにつれ、検索回数は減少していきますので「狙うのは、それなりのボリューム感があるもの」にしましょう。最低でも月間100検索くらいはないと、わざわざ対策する必要性が薄れてしまいます。

検索回数を知るためのツールとしては、以下3つを使うと良いでしょう。最後に詳しく紹介します。
「キーワードプランナー」「aramakijake」「Googleトレンド」

※「検索回数を知るためのツール」を見る

 

 

2.キーワード自体は検索されているが、自社のページが表示されていないのではないか?

 

本来は、この状況の時に実施する施策が「SEO」になります。(全体像を見せる前に「前編」でSEOの話をしてしまいましたが…)狙っているキーワードが検索されているのであれば、あとは自社のページが上位表示されればクリックされるはずですよね。

自社のページが今何位なのか?は、「Google サーチコンソール」というツールで見ることができます。こちらは、もともと「ウェブマスターツール」という名称で、本来的には「ウェブマスター(ウェブサイトの管理者)」 が使うツールになります。キーワードごとの掲載順位、表示回数、クリック数、検索流入など、「Googleからどのように評価されているのか」を確認できます。
次(3番)の内容につながりますので、続けてお読みください。

※Google サーチコンソールの詳細「検索パフォーマンスを知るためのツール」を見る

 

3.上位表示されているがクリックされていないのか?

 

次に考えられるのは、上位表示はされているものの「クリックしたい!」とユーザーに思わせることが出来ておらず、結果として流入が少なくなっているという問題です。Google側がこのような状況を見つけた場合、該当のサイトは検索順位が下がっていきますので、SEOのためにも、早めにこの状況は解消しましょう。

基本的な考え方としては、
<1>ユーザーがクリックしたくなるようなタイトル、ディスクリプションにする
<2>もし、そのキーワードで見せるべき「より良いページ」があれば、そちらのページでSEO対策をする
という2点となります。

1つ目の「ユーザーがクリックしたくなるようなタイトル、ディスクリプションにする」は、ユーザーが検索画面で見るのは、以下のような内容です。

 

 

まず大きく目につくのが、「タイトル」ですね。ページのタイトルを見れば、どのような内容かのだいたいの想像がつくので、クリックするかどうかを決める大きな要因となります。

次にもう少し文字の大きさが小さくなりますが、ディスクリプションがあります。こちらは、タイトルよりももう少し長い文字数で「そのページに何が書いてあるのか?」を説明するものです。みなさんも、ご自身で検索などする際、タイトルやディスクリプションを見てクリックするかどうか決めているのではないでしょうか?これらは、ページのhtml上で直接指定することが出来ますので、制作会社さんなどに相談してみてください。

2点目の「もし、そのキーワードで見せるべきより良いページがあれば、そちらのページでSEO対策をする」は、前回の記事も含めお伝えしている通り、SEOの順位はGoogle側のロジックで決まりますつまり、こちらが「このキーワードで上位表示させたい!」と思ったページでも、別のキーワードで上位表示されてしまうということがあります。
その場合、「本来見せたい、きっとユーザーがクリックしてくれるページ」は別にありますので、クリックされないもしくはクリックしても満足されないことは目に見えています。再度、現在の検索上位に表示されているサイトなどを参考にしながら、目的のキーワードで上位表示されるように対策をしなおしてみましょう。

ここで活用できるツールは、「Google サーチコンソール」です。「そのサイトが、Googleからどのように評価されているのか?」を確認できるツールで、キーワードごとの掲載順位、表示回数、クリック数や、各ページにどんなキーワードで検索流入があるのか?を確認できます。

「Google サーチコンソール」を使って、「クリック率(CTR)」の数値が低いものは、つまり「表示されているのにクリックされていない」ということになるので、今ご紹介したような対策をしてみてください。

 

ページを増やす

また、「ページ数が少なすぎるため、検索流入が増えない」ということも考えられます。前回の記事でもお伝えしたとおり、基本的には1ページで狙えるキーワードは1単語です。

たとえば、10ページのサイトであれば、10個のキーワード分の流入になり、100ページのサイトであれば、100個のキーワード分の流入になります。(かなり単純化してお話していますが…)

つまり、ページ数を増やすことで流入の可能性のあるキーワードを増やすことができますし、サイトとしても同じテーマに対して10個しか記事のないサイトよりも、100個記事があるサイトの方が、「より専門的なサイトである」という評価にも繋がります。(もちろん、全く関係のない記事では意味がありませんが…)

競合のモニタリングをする

何度かお伝えしているように、SEOは「相対評価」になります。
こちらがSEO対策をし、一時的に検索1位を取れたとしても、またその状況を見て競合側も追加対策をして、追い抜かれる…ということが起きます。その場合、競合の動きもモニタリングして、順位変動が合った場合にはこちらも対策を実施することが必要になります。

ただ、こちらについては専門的にSEOをやっている時間があるような方でなければ難しいので、定期的に検索をして順位変動を確認し、必要があれば修正をするくらいで充分だとは思いますが、一応、専用のツールがありますのでご紹介だけしておきます。

他にも、競合サイトがどのようなキーワードで対策しているか?などがわかるツールもありますが、採用ホームページ単体においては、そこまでの必要がある企業は少ないと思います。もしかしたら、マーケティング部署などで契約しているものが使える可能性がありますので、一度確認してみるのも良いかと思います。


★GRC
SEO業界では有名なツールで、有料ツールとなりますが、登録したキーワードでの競合も含めた順位変動を定期チェックすることができます。

今回も気づきを書き留めて、実践しましょう

以上、基本的なSEO対策も含めた「検索流入の増やし方」を2回にわたってご紹介をして参りました。いつも通りですが、今回もシートに気づきを書き留めて、実践できそうなことはぜひすぐにでも取り入れてみてください。
また、今回かなり長い内容になってしまったので、簡単にまとめたシートを作成しましたので、併せてご活用ください。

 

 

今回までの内容で採用ホームページへの「集客を増やす」内容のお話は終了です。
次回からは、集客をした後「ホームページ内の内容をどう見せて、応募につなげるか?」のお話に移っていきますので、引き続き楽しみにしていただけたらと思います!

 

検索回数を知るためのツール

♠キーワードプランナー
Google公式のツールで、「月間平均検索ボリューム」という名称で、 指定したキーワードの想定される検索回数を知ることができます。
ただし、「Google広告」内のツールのため、「Google広告に登録(クレジットカード情報登録が必要)」しないと、まず見ることができませんし、全く広告を使わない状況で調べると(100〜1,000件)のように、ざっくりした数字しか表示されません。
さらに正確な数字を知りたい場合は、「一定程度、Google広告を使っている」必要もあり、利用の難易度は上がります。
※一説には、毎月1ドルくらいの利用でも良いという話もありますが…。

♠aramakijake
https://aramakijake.jp/

前回もご紹介しましたが、こちらは登録など何もなく使えるため、手軽に利用することができます。
ただし、あくまで予測ツールとなるため、厳密にはキーワードプランナーの数字を見たほうが、正確性は担保できます。

♠Googleトレンド
https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP

厳密には「キーワードの検索回数」はこのツールでは分かりませんが、「あるキーワードと別のキーワードの、どちらがより検索されているか」や「今後検索回数が伸びてきそうなキーワードなのか?」ということを、キーワードの時系列での検索回数変化(トレンド)を見ることで確認できます。
例えば、「ウェブマーケティング」というキーワードと「デジタルマーケティング」というキーワードのどちらが検索されているか、どちらの方が検索回数が伸びてきているか?ということを確認できます。

検索パフォーマンスを知るためのツール

♠Googleサーチコンソール
主要な機能としては、
Googleに対して自社サイトの情報を通知する
Googleからの評価や指摘について確認する
があります。

なかでも、皆様のような採用担当の方が確認する可能性が高いのが「検索パフォーマンス」で「Google検索で、自社サイトがどのように評価されているか?」を確認できます。

具体的には、
どのようなキーワードでサイトへの流入・ページへの流入がされているのか?
各キーワードでのクリック数/表示回数/CTR(クリック率)/掲載順位
が、確認できます。

こちらを使うことで、
狙ったキーワードで上位表示されているか?(掲載順位)
表示された中で、どの程度クリックがされているか?(CTR)
狙ったページが狙ったキーワードで上位表示されているか?
(ページごと流入キーワードの掲載順位)
などを確認することが可能です。

執筆者プロフィール

 

株式会社Task it 代表取締役(2016年より現職)
株式会社リクルートジョブズにて人材の営業、新規事業立ち上げ部署などで従事後、ウェブの可能性を感じ独立。ウェブ業界未経験の状態だったものの、ウェブ解析士取得から約1年半でウェブ解析士マスターまで取得。
現在は、個人・企業に対してウェブ解析士講座やGoogle アナリティクス講座の実施や、ウェブコンサルティングを行っている。
著書に「Googleデータポータルによるレポート作成の教科書」や「1週間でGoogle アナリティクス4の基礎が学べる本」がある。(ともに共著)

 

 

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