アルバイトの髪型・ネイル・服装の基準、どうしていますか?

アルバイトの髪型・ネイル・服装の基準、どうしていますか?
~アルバイトの身だしなみ規制、 緩和の流れ~

多様性や個性を尊重する社会の実現に向けた動きが広がる中、アルバイト従業員に対し、「服装自由」「ネイルOK 」「髪色自由」など服装や身だしなみ規定の緩和を進める企業が増えています。

人事ご担当の皆様は「服装などの服務規律に関する情報をどこまで求人原稿に掲載すればよいか?」を考える機会もあるかと思います。身だしなみ規制の緩和は、求職者や採用する企業にどのような影響をもたらすのでしょうか。

今回は、身だしなみを自由化した企業の事例や、実際の求人の動き、企業におけるメリットなどをご紹介します!

人事ご担当者様向けに「アルバイト・パート」の採用&求人募集のポイントをお届けするコラムです。
・更新日:2023年10月24日
・記事提供:株式会社フロッグ様

身だしなみ規定の大幅改善でモチベーションアップ!採用数も2倍に

テーマパーク「レゴランド・ジャパン」を運営するLEGOLAND Japan合同会社では、2022年4月に従業員の身だしなみ規定を大幅に改定しました。

接客業では一般的に、スタッフの身だしなみが「だらしない」と受け取られることを避けるため、派手な髪色やネイルを禁止する風潮があります。

そこで同社は、見た目が接客に与える影響を調査。「見た目が変わっても、接客スキルは落ちない」として、従業員に対して「安全性」や「サービスの質」の重要性について念入りに説明した上で、身だしなみ規定を緩和しました。

改定後は、一定の配慮を条件に性別を問わず一律で「従業員にゆだねる」としています。

 

引用元:PR TIMES「レゴランド・ジャパン、身だしなみ基準『グルーミングスタンダード』を4/29(金)より改訂」LEGOLAND Japan合同会社

改定から1年あまり経ち、従業員からは「自分らしさを表現できて、楽しく働ける」「モチベーション向上につながる」などポジティブな反応があったといいます。さらに、アルバイトの採用条件に身だしなみの自由化を明記したことで、2023年4月までの年間応募数・採用数はなんと、昨年比2倍に増加しました。
(参考:日経ビジネス「レゴランドは金髪もネイルもOK 多様性重視で働きがい」

 

身だしなみ規制を緩和する企業は年々増加

株式会社フロッグの調査によると、アルバイト求人全体のうち身だしなみの自由に言及している求人の割合は直近5年で5.92%増加しています。

 

HRogより

 

多様性を尊重する動きが広がるなかで、服装・身だしなみの自由化はさらに進んでいくと考えられます。

調査概要
対象媒体:「タウンワーク」「マイナビバイト」「バイトル」「フロムエー」「イーアイデム」
対象雇用形態:「アルバイト」「パート」募集の求人情報を抽出
集計期間:2019年9月2日~2023年9月4日取得データ
※全体件数のうち、福利厚生に「服装自由」「ネイルOK 」「ピアスOK」「髪色自由」「 髪型自由」のいずれかを含む求人の合計件数の割合を算出

身だしなみ規制の緩和がもたらす効果と懸念点

最後に、身だしなみ規制を緩和することで、企業にどのようなメリット・デメリットがあるのかチェックしておきましょう。

メリット

♦従業員のモチベーションの維持につながる
自分らしく働けることが、その職場で働くモチベーションになります。女性からは「仕事中に可愛いネイルが目に入ると嬉しくなる」などの意見も。

♦応募者が増える
単純にオシャレを楽しみたい人からの応募が増えるだけではなく、そうでない人からも「個性を認めてくれる自由な社風なんだ」と好印象を持ってもらえる可能性があります。

♦個性を生かして働いてもらえる
自己表現しやすくなることで、より一層スタッフがいきいきと働けるようになるでしょう。

 

デメリット

♦顧客に不快感や悪い印象を与えてしまう可能性がある
派手な髪色や服装が、顧客に「怖そう」「話しかけづらい」などの印象を与えてしまう懸念があります。第一印象は見た目が55%を占めるとも言われており、顧客の多くが初対面の職場などでは接客に不利な要素となるかもしれません。

♦清潔感や衛生面での不安
髪型や髪色によっては毛が落ちやすかったり、抜け毛を発見しにくかったりします。またネイルは雑菌が繁殖しやすく、塗料が剥げて落ちる恐れもあるため注意が必要です。

♦規律が保てないリスク
規定がゆるく自由であることを、「何をしてもいい」と勘違いするスタッフが出ないとは限りません。自由には責任が伴うことや、最低限守るべきラインについて周知する必要があるでしょう。

 

飲食業など、身だしなみ規制を緩和するのが難しい仕事もありますよね。メリットを活かすために、デメリットをどうカバーしていくかが重要です。

また身だしなみ規制を全部撤廃することはできなくても、一部規制を見直すことで応募の増加につながるかもしれません。オシャレ好きな人は、求人を見る際に身だしなみの条件が気になるものです。求人原稿に身だしなみについての記載をしていない場合は、情報を充実させてみるのもよいでしょう。

 

人事ご担当者様向け、採用に関する基礎情報リンク集

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