近年、採用活動において「採用CX(候補者体験)」が注目を集めています。
「採用CX(候補者体験)」とは、
候補者が採用選考を終えるまでの一連の体験を設計する取り組みのことです。
採用の合否に関係なく、候補者に「この企業に応募してよかった」と感じてもらえるような体験を企業側が提供することで、企業イメージを高めて採用まで導きます。
今回は、この採用CX(候補者体験)について、注目されている理由や取り組むことで得られるメリット、採用成功に繋がるポイントをご紹介します。
自社の採用力を高めるヒントとしてお役立てください!
公開日:2025年4月25日
採用CXが注目されるようになった背景には、主に以下のような要因が挙げられます。
1.採用難により企業が候補者を「選ぶ」時代から「選ばれる」時代に
2.情報のオープン化
3.採用ミスマッチの増加
少子高齢化による労働人口の減少により、優秀な人材の獲得が難しくなっています。
以前のような企業が候補者を「選ぶ」時代ではなく、候補者に「選ばれる」時代へシフトしているのです。
更には、転職が当たり前の時代になったことも相まって、人材の流動性も高まっています。
候補者に選ばれ、優秀な人材を獲得するべく、企業の採用力を高める手段として採用CXの設計が注目を集めています。
インターネットやSNSの普及により、採用情報などをオープンにする企業が増えています。
候補者も就職活動に際して、事前に企業のSNSアカウントなどでリアルな情報を収集することが当たり前になっています。
こうした流れは、企業の魅力を知ってもらえるメリットがある一方、採用時の対応などに不手際があると、SNSや口コミサイトなどで拡散されてしまうリスクを伴います。
採用活動においても、「候補者は消費者でもある」という意識を常に持ち、ポジティブな共感を広げるような採用CXを設計し、企業イメージの向上に努める必要があるでしょう。
ミスマッチによる採用後の早期離職が後を絶たないのも、採用CXの重要性が高まっている要因です。
候補者一人ひとりと丁寧に向き合った採用CXの設計により、企業と候補者の認識のずれを減らすことで、結果としてミスマッチを防ぎ、早期離職の抑制に繋がります。
では、採用CXを設計することで得られるメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
1.候補者の志望度が上がる
2.不採用になっても自社のファン化が期待できる
3.口コミなどで良い採用体験を広めてもらえる
採用CXの設計により、候補者は採用選考において「良い体験」をすることができます。
自社に対してポジティブなイメージを印象付けることにより、「この企業で働きたい」という志望意欲の向上が期待できます。
候補者に寄り添った丁寧なコミュニケーションは疑問や不安の解消にも繋がり、入社後のミスマッチや早期離職の抑制にも効果的です。
たとえ不採用という結果になったとしても、自社のファン化が期待できるという点も、採用CXの大きなメリットの一つです。
丁寧で誠実な対応は、自社に対して良いイメージを与え、「また機会があれば応募したい」「今後は客としてサービスを利用したい」と思ってもらえる可能性が高まります。
候補者が採用選考で良い体験をすることで、企業の魅力をSNSや口コミサイトなどを通じて発信してもらえる可能性があります。
特にSNSは拡散性が高いので、多くの人の目に触れる機会となるでしょう。自社の魅力を知ってもらう良いきっかけとなり、新たな候補者が集まりやすくなるほか、企業のブランドイメージ向上や顧客獲得も期待できます。
では、実際にどのように採用CXを設計すればよいのでしょうか。
効果的な採用CXにするためのポイントについて解説します。
ディップ総合研究所/採用担当者との初回コンタクト前に、辞退した理由/2025年4月15日時点
ディップ総合研究所が行った調査によると、選考過程において、
最も選考辞退が多いのは「応募から初回連絡前」の段階です。
その理由を見てみると、
「他に良い条件の仕事が見つかったから」「連絡が来なかったから・遅かったから」
といった理由が多いことが分かります。
ディップ総合研究所/採用担当者との初回コンタクト前に、辞退した理由/2025年4月15日時点
アルバイト・パートの応募者はすぐに働きたいと考えている人が多く、なかなか連絡が来ない時点で志望度が下がってしまう傾向があります。
また、複数の企業に同時並行で応募しているケースも少なくないため、もたもたしている間に他の企業から連絡があり、そちらに決まってしまったということも。せっかくの応募を無駄にしないよう、「応募があったら即連絡」と心得ましょう。
面談日程の連絡でも、相手の負荷を下げてCXを高めることができます。
たとえば「複数の候補日を提示する」「相手が参加しやすい時間帯を中心に提案する」など、できるだけスムーズに話を進めるための工夫が不可欠です。
また、「電話に対応できなかったから」という辞退理由も見られるため、連絡手段の見直しも重要です。電話ではなく、いつでも確認できるメールにする、こまめにリマインドを行うなど、できることから始めましょう。
面接から入社までの間にも、採用CXを向上させる余地がたくさんあります。
まずは面接の設定時間です。
ディップ研究所の調査では、求職者が希望する面接の所要時間は以下の通りでした。
ディップ総合研究所/希望する面接の所要時間/2025年4月15日時点
面接時間については「15分程度」を希望する人が最も多い結果となりました。
中でも学生層では、約6割もの人が15分程度を希望しています。短時間で効率的な面接を行うためには、シフトの希望や候補者からの質問など、事前に確認できることはメールや応募フォーム上で済ませておくとよいでしょう。
事前連絡の際には、面接場所までの詳細な道のりを写真付きで送ったり、建物の入り口が分かりにくければどこから入ればいいのかを丁寧に伝えるなど、ちょっとした気遣いをするだけでも好印象を持ってもらえますよ。
面接本番は、双方のすり合わせの場であることを意識して望みましょう。
こちらから一方的に質問するのではなく、候補者の不安や疑問に耳を傾け、解消に努めることが、良い体験の提供に繋がります。
そして応募後の連絡と同じく、
面接後の採用可否の連絡スピードも採用CXの大切なポイントです。
ディップ総合研究所/求職者の希望する採用可否の連絡スピード/2025年4月15日時点
面接から翌日までに採用可否の連絡がほしい人の割合は、44%にも上ります。
採用辞退を防ぐためにも、できる限り早く結果を伝えることを心がけましょう。
あらかじめ「いつまでに採否をご連絡します」と明確な連絡期限を伝えるのも親切ですね。
ここまで、採用CXを高めるためのポイントをご紹介しました。
効果的な採用CXの設計には、やるべきことが多くある一方で、採用担当者が抱える業務負担も大きくなるという現実があります。特にアルバイト採用を兼任している店長さんは、スケジュール管理や即連絡など、採用業務までなかなか手が回らないのが実情ではないでしょうか。
「採用管理ができない」「候補者へのスピーディな対応が難しい」といった課題を抱えている場合、採用活動をサポートしてくれるツールの活用もおすすめです。
リクオプの採用チャットボット「らくロボ プラス」では、「希望シフト」や「面接希望日」などを候補者にヒアリングし、面接調整および設定までを、24時間365日自動で代行してくれます。
●SMS(ショートメッセージサービス)で応募者に即時通知
●面接日程の調整も自動で対応
●夜間応募にもロボットが自動で対応
●事前ヒアリングでスムーズな面接が可能
「らくロボ プラス」の導入により、候補者へのスピーディな対応が可能となり、選考辞退を防止できるだけでなく、採用CXの向上にも繋がります。
また、煩雑な採用業務を自動化・省力化でき、採用担当者はコア業務に集中できるのも大きなメリットです。
前述のディップ総合研究所が行った調査によると、
面接時間については「15分程度」を希望する人が最も多い結果でした。
面接をオンラインで実施することも普及してきています。リクオプでは、現場の選考シーンに合わせて「録画面接」「オンライン面接」を選択できる「WEB面接」を導入いただくことにより、応募者は、移動時間がなく自分のスマホやPCで面接できるため日程調整がしやすく、面接実施率の向上が期待できます。
ぜひ、採用活動にご活用ください。
※らくロボプラス、WEB面接ともにリクオプのオプション商品(有料でお使いいただける追加サービス)です。